重症免疫不全ラットを用いた膵癌PDXモデルの侵襲的治療

  • A rat-based preclinical platform facilitating transcatheter hepatic arterial infusion in immunodeficient rats with liver xenografts of patient-derived pancreatic ductal adenocarcinoma. Ozaki et al., Scientific Reports 2024, 14, 10529
  • 患者由来の膵管腺癌の肝臓異種移植片を持つ免疫不全ラットにおいて、経カテーテル的肝動脈注入を容易にするラットベースの前臨床プラットフォーム

同グループはこれまでに,手術で摘出した患者由来膵癌を凍結保存した後,解凍して免疫不全マウスやラットの肝臓に移植することで膵癌肝転移PDXマウスモデル(2018年)およびPDXラットモデル(2020年)を作製することに成功していた

今回,PDXマウスモデルでは難しかった,侵襲的治療実験と治療スクリーニングが可能である一例を示した

  • *注目ポイント*
  • 体の小さいマウスでは難しかった,カテーテルによる動脈内での抗がん剤静脈注入療法が可能となった
  • 尾静脈からの投与と肝動脈からの投与では腫瘍制御効果に差があった
  • ラットに患者がん組織を移植し,多数の抗がん剤の効果を一斉に評価することができるようになる可能性がある
  • *管理者コメント*
  • 患者がん組織がラットに生着するまでには現在の方法では時間がかかるが,その問題がクリアされればラットを用いたオーダーメイド治療スクリーニングが可能となるかもしれない
ラットを用いた研究 : 年別
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